(昼さがり。城戸邸の庭。)

(庭に立っているポール状の時計。3時ちょっと前。)

(建物のすぐ側のところを歩いてくる瞬。)

(噴水。)

(噴水の傍に立って話をしている邪武とジュネ。)

(その光景を目にする瞬。)

(瞬の目線で、邪武とジュネ。)

(邪武のアップ。穏やかな笑顔。)

(瞬。はっきりと表情が翳る。)

ジュネ (小声で邪武に。)
     「あれから、瞬に会った?」

邪武 「いや、今日はまだ…」

ジュネ 「そう…本当に仕様の無い子だね」
邪武 「え?」

瞬 (建物の陰に入る。)
   ―――何…話してるんだろう……

(突然両目を手で覆って俯くジュネ。)

邪武 「…!?」

(瞬1コマ。)

(噴水の飛沫で少しぼやけた瞬の目線で、泣いているらし
いジュネ。)

(何か話しかけながら心配そうにジュネの顔を覗き込む邪
武。)

(ジュネの肩に触れて引き寄せる邪武の左手。)

(ジュネの頬に添えられた邪武の右手。)

(邪武、じっとジュネの目を見つめながらそっと顔を近付け
る。)

(瞬。愕然とする。)

(噴水の水が勢い良く出始めて、更に視界がぼやける。
遠めに見えている邪武とジュネの姿はどう見ても男女の
キスシーン。)

瞬 「…ウソ………」
ジュネ ―――妙に気が合っちゃって
          ステキね、彼♪

瞬 ―――こんな…こんなことって…

(瞬の目線で、まだくっついている二人。視界が自分の涙
で滲んできてしまう。)

(瞬、その場にへなへなと座り込んでしまう。)

(邪武とジュネ、別れてそれぞれ違う方向に歩いていく。)

邪武 (小声でブツブツと。)
    「ゴミなんて入ってなかったと思うけどなァ…」

(瞬のいる方に向かって歩いてくる邪武。)

(邪武、地面に座り込んでいる瞬に気付き近寄ってくる。)

邪武 「…よォ、瞬」「何やってんだ、そんなとこで?」

(下を向いている瞬。)

邪武 「瞬…?」

(顔を上げた瞬。両目にいっぱい涙を溜めて、頼りない、
すごく可愛い表情。)

邪武 (一寸ドキッとして。)
    「なっ、なんだよ!?」
    「お前、また泣いて…」

ばきっっ (瞬、いきなり立ち上がって、拳で邪武を殴る。)

ドシャッ (吹っ飛んで地面に落下した邪武。)

邪武 「…いっ!?」

(邪武の目線で、走り去っていってしまう瞬。)

邪武 「ああ…っ!?」
    「お、おい…っ」

    「瞬!?」
(走っていく瞬。)

(ジュネ、遠くからその様子を眺めている。)

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