(瞬と星矢1コマ。)

バールシャミーン 「どういうわけか、ご自身で覚醒を
            妨げられていたようだが
            今ようやくな」

瞬 「…ふ」 (口元のアップ。笑う。)

   「ははは」「まさか、そんな…」
   「邪武が…太陽神の化身だっていうの?」
   「そんな話、信じろっていうの…?」

バールシャミーン 「信じられぬのも無理は無い」
            「だがお前、一度完成してしまった
             グレイテスト・エクリップスを解いた
             のは一体誰の力だと思う…?」

(再び歩き出したバールシャミーン。)

瞬 「そ、そんな…」
   「そんなの、誰が信じるもんか」
   「邪武に会わせて!」

   「彼を返してください!!」

バールシャミーン 「くどい…」
(眼を閉じたまま、後方の瞬へ手だけを向ける。)

(瞬、物凄い勢いで後ろに吹っ飛び、)

ドシャッ (階段の下まで落ちる。)

星矢 「瞬!!」

星矢 「大丈夫か瞬!?」
瞬 (起き上がる。額から血。)
   「うう…」「どう…して……」

   「あなたたちの望みは何…?」

バールシャミーン (一寸振り返って。)
            「フッ、お前、少しは身の程を
             わきまえたらどうだ?」
(瞬1コマ。)

バールシャミーン (歩きながら。)
            「ハーデスの器になる為に
             生を受けた、」
            「クズのような生き物が」
(瞬、絶句。)

(何も言い返せない瞬。)

(空へ続く階段、全景。)

星矢 「瞬…」

(突然ハッとして顔を上げる瞬。)

(空に響く声。)
? ―――バールシャミーンよ

(立ち止まったバールシャミーン。)

(瞬1コマ。)

声 ―――その者たちを
       ここへ連れて参れ

バールシャミーン ―――なっ!?
                し…、しかし…

声 ―――よいな
バールシャミーン 「…はっ」

バールシャミーン (星矢と瞬に。)
            「聞いたとおりだ」
            「…気は進まぬがな」

星矢 「あ、あれは…」

瞬 ―――邪武の声だった―――

(バールシャミーンの後について階段を上っていく星矢と
瞬。)

(下の方から消えて無くなっていく階段。)

(歩きながら下を見下ろす星矢。)

(雲しか見えない。)

星矢 「こ、ここは…」「ここは空の上なのか…?」

バールシャミーン 「ちがう」
            「ここはお前たちの世界とは
             次元を異にする聖なる空間」
            「冥界が地底にあるような感覚を
             覚えるのと同様に、ここはあたかも
             天空であるかのように感じられるのだ」

星矢 「!!」

(雲が晴れて、目の前に巨大な白い神殿が現れる。)

(驚愕の星矢と瞬。)

(神殿の中に入っていくバールシャミーン。入り口の前で
暫く立ち尽くす星矢と瞬。)

(神殿内部。二人が入って来る。)

(先を歩いていくバールシャミーンの後ろ姿。)

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