ペルセポネ 「フッ、一体何が出来るというのかしらね」
「小宇宙を燃やす事のできないこの場所で」
アフロディーテ ―――小宇宙を完全に封じられていると
いうのなら、また新たな開闢を
招けばいい……
カミュ ―――開闢…?
アフロディーテ ―――それは阿頼耶識に目覚めるよりも
もっと困難なことかも
知れないけれど
―――思い出して…
―――自分の中に潜む
宇宙を育む力のことを
アイオリア ―――う、宇宙を…育む力…
アフロディーテ ―――それは第九番目の…
人間としての最後の感覚
ミロ ―――ナ…ナイン・センシズ……
ムウ ―――第…九感…
童虎 ―――阿摩羅識…
シャカ ―――無垢識―――
アフロディーテ 「思い出して」
「いつか聞いた懐かしい言葉」
―――人は皆小さな宇宙
「思い出して」
「君がここに在るその訳を」
――― あなたは何故ここにいるの
「そしてそれは、
大いなる宇宙が生まれたその理由と
全く同じなのだということを」
ペルセポネ 「!?」
カッ(映像がさらに強く光を放ち、白く輝く。)
アフロディーテ ―――この尊い者たちに祝福を―――
ペルセポネ 「な…なんなの!?」
(その光に照らし出されるアフロディーテ。力尽きて動かな
くなっている。)
ペルセポネ 「これは…一体…」
リーパー 「な、何だ…!?」
ゾルン 「半死半生の聖闘士どもを包んでいる…」
キマイラ 「この白い光は―――!?」
(光の中で立ちあがったアイオロスとサガのシルエット。)
(二人とも白く輝く炎のようなものに包まれて立っている。)
(倒れていたシャカが目を開く。)
(空から舞い降りてくる、ひとひらの赤い花びら。)
(シャカの手の中に落ちてくる。)
シャカ ―――これは…
血に染んだ白バラの花びら…
カッ (シャカの全身から白い光が放たれる。)
オーガ 「う!?」
(サガ、アイオロスと同じように白い炎に包まれているシャ
カとシュラ。)
ペルセポネ ―――な、何なのこの光は…
あの輝きは…まるで―――
(白っぽい、黄金聖衣とよく似た形ものを纏って立っている
アイオロスとサガ。冥衣とは逆に、聖衣の”角”になった部
分が丸みを帯びたりして、全体的にやわらかいデザインに
なっている。)
サガ 「こ、これは……」
「聖衣…?」
(同様の格好でムウとアルデバランも立ち上がる。)
ムウ ―――黄金ではない…
(同様に白いいでたちのカミュ。)
カミュ ―――だけど、なんて美しい…
(ミロとデスマスクも立ち上がる。)
ミロ 「真珠の色に輝いている」
デスマスク 「それにこの装着感…」
(シャカとシュラ。)
シャカ ―――傷の痛みが癒えていく…
(童虎とアイオリア。)
アイオリア ―――小宇宙が…
小さな宇宙が、目を覚ます……
(草原を駆け回る子供らの絵に台のみ。)
全員 ―――まるで、初めて聖衣を纏った時のよう
―――黄金の誇りも、女神の聖闘士としての自負
さえ無くて…
―――ただそこにあったのは……
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