(十字架のアフロディーテ。完全に意識不明。)
ペルセポネ 「よく来たわね、誉めてあげるわ」
「さあ、どうぞお好きなように」
(ペルセポネを無視して広間の中央に立っている十字架
の方へ進んでいくアイオロスたち。)
シュラ 「今下ろしてやるぞ」
(サガは一人離れた場所に残ってペルセポネの様子を見
ている。)
フ… (アイオロスの手から突然血が飛び散る。)
アイオロス 「!?」「な、何だ、このバラは…」
(バラの樹がの枝が意志をもった動物のようにぞわぞわと
動いている。)
ズ… (枝に触れようとしたシャカの手を、別の枝が刺し貫
く。)
シャカ 「……!!」
ペルセポネ 「あら、ごめんなさい。言い忘れていたわね」
「そのバラは、人間の力では
どうにもならない代物よ」
「たとえ完璧な状態の黄金聖闘士でもね」
アイオロス 「くっ!」
(ペルセポネを無視して十字架に絡み付いている枝を引
きちぎる。)
アイオロス 「…!?」
(バラの枝。切れた所の両端が伸びて、)
(繋がり合ってすっかり元に戻る。)
(シュラの手刀。)
(2〜3本太い枝が切れる。)
(が、切れた所から新しい枝がすごい速度で一度に何本
も生えてくる。)
シュラ 「なに…!?」
シャカ 「再生…してしまう―――」
アイオリア 「兄さん!」
(声のした方を向くアイオロスたち。)
(アイオリア、童虎、ムウ、アルデバランが到着。)
ムウ ―――スターライトエクスティンクション
(アフロディーテの身体が光に包まれる。)
童虎 ―――そうだ、これなら…
カッ (光が全部ムウの方に返ってくる。)
ガシャン (跳ね飛ばされて壁に叩きつけられるムウ。)
ムウ 「う!!」
アイオリア 「ムウ!?」
ムウ 「そんな…」
ペルセポネ 「フフフ、今のはなかなか良い線いってたわ」
「でも無理ね、所詮あなたたちでは」
(バラの樹が激しくのたうつように動き出す。)
サガ 「…お、怒って…いる?」
ペルセポネ 「ちがうわ、喜んでるのよ」
童虎 「なに…?」
アイオリア (十字架を見上げて。)
「ああ…」
(さらに強い力でアフロディーテを締めつけていくバラの枝。)
(アフロディーテの首のアップ。棘が食い込み、切れそうな
程締めつけられている。)
ムウ 「く…っ」
(もう一度試みようとして立ち上がる。)
(部屋の入り口に立っている三人の人影。)
? 「よすんだ、ムウ」
(カミュ、ミロ、デスマスクが到着。)
カミュ 「バラを枯らすなら霜を降らせれば良い」
ヒュウウウウ (両手で凍気を発生させる。髪が大きくなび
く。)
ピキィィィン (バラが凍りつく。)
ミロ 「よし、これで…」
アイオリア 「うっ!?」
パーン (バラが表面の氷を割って、地面に伸びていた枝
が一瞬ぶわっと起きあがる。)
カミュ 「なに!?」
(広間全景。元通りになって蠢いているバラの樹。)
ミロ 「そんな…」
次頁へ