デスマスク ―――諦めたりするものか
            もう、二度と…

ミロ ―――無駄なことではないさ

シャカ ―――束の間の夢まぼろしでも、
         儚い人の想いでも―――

アフロディーテ 「う…うう……」

(ペルセポネ1コマ。嫉妬に駆られたような表情になる。)

サガ 「!!」

(とっさにペルセポネに向けて放たれる、ギャラクシアン
エクスプロージョン。)

カッ (ペルセポネの持っている杖が光る。)

ガシャン (はね返ってきた技の威力を受けて壁に叩き付
けられたサガ。)

(ペルセポネの杖の先から雷光のような光が放たれる。)

うわあああああ (稲妻にとりまかれる黄金聖闘士たち。)

シュウウウウウ… (煙が立ち込めている。みんな床の上
に倒れてしまった。)

ペルセポネ 「これでわかったでしょう」

        「ご覧なさい、もう既に
         ゲレイテスト・エクリップスは
         完成してしまったわ」

        「地上は未来永劫闇の支配下…」
        ―――みんなみんな、私と同じ運命を
             辿るのね

(1コマインサート。暗闇の中に煌く一点の小さな光。)

ペルセポネ 「!?」
        「なに!? この小宇宙は…」

(アフロディーテの目がゆっくりと開いていく。)

ペルセポネ 「ア…アフロディーテ!?」
        「あなた、まだ…」

(アフロディーテの身体からまばゆい白い光が差す。)

ペルセポネ 「う!?」

(広間全景。白い光が辺りを隈なく照らす。)

(光に目が眩んでいるペルセポネ。)

(黄金聖闘士たちの意識が戻る。)

(十字架から下りて地面の上に立っているアフロディーテ
のシルエット。)


(光の中を歩く、血だらけのアフロディーテ。白い布を一枚
纏ったような格好、裸足。)

シャカ 「ア…」

ペルセポネ 「アフロディーテ……」

(アフロディーテのアップ。安らかな笑顔。)

(数コマで、バラが十字架から離れて、アフロディーテの為
に恭しく道をつくる。)

ペルセポネ 「ば…馬鹿な…」
        「アフロディーテの微笑み一つで…」
        「あのバラがしりぞくなんて…!!」

(ペルセポネと対峙するアフロディーテ。白い光は消えて
いく。)

ペルセポネ 「な…なぜ…」

アフロディーテ 「大切なことを、忘れていた…」

          「私は、バラの花が好き。」

(ペルセポネ1コマ。)

アフロディーテ 「忘れていた…」
          「どんなに傷付けられても、
           世界の全てを信じていたいと…
           好きでいたいと、思う気持ち」
          「そんな懐かしい気持ち」

(1コマインサート。)
サガ ―――何故、あんな風に笑っていられるのだろう?

アフロディーテ ―――それは何の根拠も無い、
               理由のない希望だけれど…
          ―――名前のない夢だけれど…

ペルセポネ 「名前のない夢…」
        ―――それは、まるで…

ゴ… (ペルセポネの足元。石畳の床が振動する。)

ペルセポネ ―――!?

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